熱いうち

その昔、僕はハーレーに乗りたいと思っていた。ハーレーに乗って三拍子のリズムを身体で感じながらゆっくり走りたいと思っていた。大型二輪免許を取得し、よしハーレーだと思い時間をかけて調べまくっていたら、調べまくる過程でハーレーの全てを知ってしまったような気になってしまい、結果、興味を失ってしまった。ハーレーには乗らなかった。
今、いつになるかわからない個展のための作品づくりを粛々と進めている。少なくとも1年間全ての季節を被写体と共にしたうえで作品にまとめられればと思っているので、今はコツコツと撮影に勤しんでいる。こうやって時間をかけて作品づくりを進めていると、何ヶ月か前に撮影したものが下手だなぁと感じることがある。この頃はまだ被写体に対する理解が浅かったんだろうなと。ただそこで思うのは、それは本当に自分と被写体との距離が近づいたということなのか、それとも同じ被写体ばかりを追いかけた結果、単に刺激が足りなくなってしまっただけなのか、どちらなのだろうかということ。前者であれば良いのだけれど、後者だとしたら、あの時のハーレーと同じことになってしまわないかと。
今はまだ「全ての季節を共にする」というスタンスでいるけれど、それもまぁ、あまり縛られない方がいいかもしれない。熱くなっているうちに打たないと、何も残らないこともあるもんな。そこはもう自分の感覚を信じよう。