我が子の目に映るもの

2~3週間ほど前の『検査待ちと代替医療』という日記に「死ぬのかもしれない」と書いた。もちろんそこで癌が発覚したとしてもすぐに死ぬとは思っていなかったけど、舌から首のリンパへと癌が転移した時点で5年生存率がうんたらかんたらと言われていたので、その癌がさらに転移したとなるとその生存率もぐんと下がるんだろうなとは思っていた。で、実は今まで誰にも言って無かったんだけど、それ以外にもいくつか気になる要素があって、それらの「点」がいくつか集まったところで「線」として繋がったから「死ぬのかも」と思えたということ。でも先日のPETの結果を受けて、首の左右のリンパにできたしこりと舌の縁のふくらみが癌では無いと結論付けられたので、なんだよやっぱり今すぐに死ぬことはねーんじゃねぇかよと安心した。安心したので、今朝、それらの点のうちのひとつについて妻に話してみた。「今まで黙ってたけど、実はこんなことがあったんだよ。」と。

子供をね、僕がお風呂に入れているの。事務所に通っているころは帰りが遅くなるから妻が入れていたんだけど、最近はテレワークで自宅にいることがほとんどだから僕が入れているの。
子供と一緒に湯舟に入ってからさ、「出るよ!」ってときには子供の身体を仰向けにして水平にしたまま持ち上げるのよ。仰向けにすると天井が見えるじゃない。天井には換気扇というか送風口というかなんか機械が付いてるの。それが好きみたいでさ、だから持ち上げるときには水平にして天井ギリギリまで上げてあげるのよ。機械を間近で見られて喜ぶから。毎日そうしてたんだけど、ある日ね、いつも通りに仰向けにして持ち上げようとしたら子供の表情が変わったの。『魔太郎が来る!!』に出てくるみたいな顔になった。一言で言えば恐怖よ。「殺される~!!」みたいな。最初は「?」と思ってたんだけど、それ以降、来る日も来る日もその瞬間だけは同じ表情をするようになったから、もう仰向けにして持ち上げるのは止めて、普通に抱っこして出るようにした。抱っこして「怖くないからね」って言いながらお風呂から出てた。その時の目線はさ、換気扇みたいなやつじゃなくて僕の右後方を見るんだよね。天井の隅っこ。だからお風呂の天井付近に何か怖いものが見えてるんだろうなーと思ってた。
大事なのはそれが何かっつー話でさ、正確なことは分からないんだけど、何かに憑依されている感覚は無いから憑依では無さそうだし、癌なのか癌じゃないのかって時期だったからそのテのアレがついてきたのかもしれないとは思いつつも、もしかしたら死神なのかなと思っていた。いや、死神なんだろうなと。死神ってさ、空想上のものだと思ってる人もいるでしょ。考え方は自由だからそれでもいいんだけど、実際いるのよ、死神って。死期が迫るとやってくる。だから「オレやっぱり死ぬのかなぁ。残念だなぁ。」って思ってたの。それがさ、どうも最近は見えなくなったみたいで、天井を見てもエコエコアザラクみたいな顔をすることは無くなった。機械を見ながらフツーに笑うようになった。だから結論としては天井付近にいたのは死神じゃなさそうだなと。いたとしたら「そのテのアレ」だったのかなと。やっぱり鬱々としてちゃダメだね。変なの連れてきちゃう。

っつーことで、最近は毎日元気に楽しく過ごしております。健康大事。おわり。