入場曲

もし自分がプロレスラーだったとしたら、入場曲は“ヘヴィーメタルゴッド”ことジューダス・プリーストの『Locked In』にしたいと思っていた。グレンだかKKだかはわからないけど、あの重厚でひずんだギターをバックに入場をしたかった。幸か不幸かプロレスラーにはならなかったので実現はしなかったけれど。
結婚式(披露宴)の新郎の入場の際には坂本龍一がいいかなと思っていた。『Thousand Knives』か『羽の林で』なんていいかなと。新郎の入場でそりゃ無いだろうと自分でも思えるので、ホントにやろうとしたらおそらく誰かに止められていたと思う。結婚は2回もしたけど結婚式は1度も挙げていないので、幸いなことにこれも実現には至っていない。この部分においてはむしろ実現しなくて良かったような気もしている。

何らかの曲をバックに入場するような機会って他にもあるんだろうか。強いて挙げるのであればあとは僕の告別式くらいかもしれない。入場ならぬ、この世からの退場だ。退場の際に適した曲って何だろうなと2秒ほど考えたけれど、それはおそらく好きな曲でいいんじゃねぇかなと思えた。最後だし。最後くらい好きにさせろよと。45年生きてきたなかで最も好きな曲を挙げろってのも難しい話だけれど、頭に浮かぶのはダリル・ホール&ジョン・オーツの『Out of Touch』かな。ジョンが歌う『Possession Obsession』もいいな。コーラスのハモりが美しいんだよね。あとはやはり世界の坂本の『Thousand Knives』かニューエスト・モデルの『もっともそうな二人の沸点』かな。ホール&オーツと坂本龍一はいいとして、ニューエストについてはこれもまた「告別式らしく無い」とか言われそうだけど、若かりし頃に車のなかで聴きまくっていただけに、この世とのお別れの曲としては適しているんじゃなかろうかと思っている。
そもそも結婚式も挙げていない僕が告別式をやってほしいと思うんだろうかって話ではあるんだけどね。その辺に撒いておいてくれればいいやとしか考えて無いからな。現時点では。