入院26日目

朝の嚥下食を食べているところにリハビリの先生がやってきた。僕がきちんと嚥下食の5段階目を食べることができているかの確認に来たんだと思う。嚥下食を食べるための専用のスプーンってものがある。柄が長くてすくう部分の横幅が狭くなっているもの。柄が長いから口の奥の方にまで食べ物を持っていくことができるし、すくう部分の横幅が狭いから口が開かなくても口の中に入れやすいってこと。嚥下食を開始する際にはそのスプーンを買わされてそれを使って食べることになる。これまで僕もそのスプーンを使って食べていたんだけど、3日くらい前かな、おそらく「分かっていない人」が僕の嚥下食を部屋まで運んで来てくれたんだろうね、嚥下食に箸がついてきたの。なので試しに箸を使って食べてみたら、こっちの方が段違いに食べやすいことに気がついた。なのでそれからは毎回箸を使って食べていた。で、リハビリの先生が来た時に「すみません、実は箸を使って食べていまして…」と告げると「あぁ、全然いいですよ。」と。なのでそのまま箸を使って食べながら「こっちの方が狙ったところに(食べ物を)落としやすいんですよ。スプーンだと狙ったところに落とそうとしても、(スプーンを口から)抜く時にどうしてもそれよりも手前に落ちちゃって。それが舌の下まで落ちちゃう。でも箸だときちんと落とせるんで、舌の下に落ちる量も少なくて済むんです。」と伝えると、なるほどなと。もう一度食べてみてくれというので実践すると、感心した様子で「他の患者さんも今安西さんと同じものを食べていて苦労されてるんです。ちょっと箸を使ってみるよう言ってきてもいいですか?」と言って急いで部屋を出ていった。僕が食べ終わるまで帰ってこなかったので、おそらくは15〜20分ほど経ったのかな?先生が帰ってきて「スプーンよりも食べやすいって言ってました!」と歓喜の声をあげていた。で、ちょうど先生は業界向けの雑誌に嚥下色の食べ方の工夫についての記事を書かねばならなかったところなので、このことを書いてもいいかと僕に聞いてきた。なので「ぜひぜひ、世界中の患者さんたちのためにww」と伝えておいた。これで嚥下食が食べやすくなる人が増えればいいよね。

夕方頃になって、耳鼻科の担当の先生がやってきた。手術で切り取った舌や組織の生検の結果が出ましたと。待ちに待っていたものなので身を乗り出して「はいはい!」と言うも、続けて「水曜日あたりご家族も含めてどうですか?」と言われた。これまで3回の手術&入院をしているけれど、その日のうちに教えてくれないのは初めてのこと。しかも「家族も一緒に」なんて言われたことは無い。悪い予感しかしなかった。余計に気になったので早く知りたい旨を伝えたら、明日(つまり今日)の11時に教えてくれることになった。家族も同席することになった。ホント、悪い予感しかしない。怖いんだけど。