半年経った

年明けから仕事が忙しくて全く気づかなかったけど、頸部リンパ節郭清術の手術を受けてから半年が経過したみたい。手術をしてしばらくの間は左の首やら耳の周辺やらに感覚が無くて、お風呂に入っても暖かさも感じないくらいだったけれど、最近は触れば分かるようになった。触るとジーンと来るというか、微妙に痺れる感覚がある。見た目もさ、顔の左側が腫れててさ、ジャミラっぽかったの。それが今では首の左側の方が右側よりも凹んでるもんな。左側のリンパと脂肪を全部切除したからさ、凹んで見えるのよ。すげぇ膨らんでたのに今は凹んで見えるんだから凄いよね。それと唇。左側の唇は「いー」ってしても動かなかったんだけど、今はかなり動くようになった。「手術した」って言わなければ気づく人はあまりいないんじゃないかな。縫った傷もかなり綺麗になったし。これもこちらから言わなければ気づかれないと思う。回復するもんだねぇ。逆に左肩はまだダメだね。もう大丈夫だと思ってプランクをしたんだけど、そしたらその翌々日に肩から首にかけての筋肉なのか何なのかがおかしなことになって大変だった。何がおきたのかは分からないけれど、とにかくは筋トレをするにはまだ早いってことだけは察するに至った。
舌癌は転移するならまずは首のリンパで、その次は肺。で、その次が脳だったかな。僕の場合は首のリンパに転移をしたから手術を受けた。首のしこりは自分で見つけたんだけど、それを診察の際に先生につたえてさ、「転移ですね」って言われてさ、すぐに入院の手続きをしたんだけど、たぶん入院の手続きをするのがその日は僕で最後だったんだろうね。夕日が差し込んでくる待合室には僕しかいなくてね、少し涙が出そうになったのよ。子供は生まれたばかりだし、妻は出産して間もないから体力も無いし、一番そばにいてあげないといけない時期に一緒にいてあげられないなんてとか、そんなことを考えていたら涙が出そうになったの。そこへ突然先生が現れてさ、子供が生まれたばかりにも関わらず癌が転移してしまった僕を不憫に思ってくれたのか何なのか、診察のときには話も出なかったPETの予約を取ってくれたらしく、その報告に来てくれたんだよな。「受けてくださいね」って。優しいなぁと思った。懐かしいなぁ。

っつーことで、手術を受けてから半年。なかなか回復しましたよ、という話。