ベスト!モーニング娘。20th Anniversary

今年の3月の終わりに「モーニング娘。」の20周年を記念するベスト盤CDが発売された。発売されたCDは初回限定版A、初回限定版B、通常版の計3種類で、そのうちの初回限定版Aには2018年8月に行われた「ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2018」に初出演した際の映像が収録されている。モーニング娘。が野外フェスに出演するということは、僕にとってはももクロが2013年にOzzfestに出演したことと同レベルの衝撃で、その衝撃の映像がベスト盤への収録の形でようやく日の目を見ることになったとのことで、とても興味を持っていた。ぜひ見たいと思っていた。思ってはいるものの、興味があるのはロッキンの映像であって、ベスト盤に収録された楽曲の多くは既に持っているし、買うべきか買わぬべきかどうしたもんかなーと思っていた。で、忘れもしない4/28の17時前頃、それは何の前触れも無く僕の手元にやってきた。間違えて2枚買っちゃったからあげるって。ここ数カ月のうち一番の絶叫をあげた。

今日までにその映像を7回見た。何だろう、いつもとは違う「野外」だからなのか、それとも限られた時間のなかに凝縮されたパフォーマンスだからなのか、そこにはいつもとは違う彼女たちといつも通りの彼女たちとが混在していた気がする。とにかくパワフルだった。やっぱりモーニングってのはハロプロの看板であって、王者なんだなーと思えた。
まーちゃん(佐藤優樹)はこの日を振り返って「最初は緊張していた」と言っていたが、そんな様子は感じられなかった。それはそうと、1曲目の『HOW DO YOU LIKE JAPAN?』のまーちゃんの最初のパートのところで歓声が大きくなったのを見て(聞いて)、まーちゃんってやっぱり人気あるんだなと。フォーメーションダンスを取り入れてからのモーニングは、全員の協調性に重きを置いている部分がある。それはとても大切なことだけれど、生の現場では生きたライブが見たいと思えるところもあり、その思いとまーちゃんの良い意味での自由さとは合致するところがある。まーちゃんの一挙手一投足には目を奪われる。人気があるのも頷ける。ステージに出てきてから一発目のあゆみん(石田亜佑美)の煽りは素晴らしかった。あれは野外ならではなのかな。あの煽りのおかげでグループ全体が波に乗れたように思える。あゆみん、頼れるお姉さんになったな。生田(生田衣梨奈)も野外にマッチしていると思う。普段から歌割も少なく、ダンスもすげーうまいというわけでは無いのでコンサートのDVDを見てもカメラに抜かれることはさほど多くは無いけれど、ロッキンでの安定感は何だろうかと。それすなわち野外にマッチしてるってことではなかろうかと。40分で11曲披露するという殺人的なセトリにも関わらず、額に汗は見られるものの、まったく疲れを見せていなかったのも生田だった。体力オバケと言われるモーニングの中でも、本当のオバケは生田だと思う。ただなんつーか、炎天下のもと40分ぶっ通しで歌って踊っている方々に対する要望としては酷なものかと思うけれど、今のモーニングには安定して高音を出せるメンバーが限られているのがちょっと弱いかなとは思えた。以前であればれいな(田中れいな)が高音のパートを担っていた。そこを今は小田(小田さくら)が担当していて、小田は「ちょっと曲~、小田の歌声の邪魔になってるよ!」と思えるほどに歌がうまいからそこはそこで安心なんだけど、歌割が多いふくちゃん(譜久村聖)も高音は得意な方では無いし、まぁ、小田とまーちゃんになるのかな。『Help me!!』なんかサビの部分が声高いからさ、「みんな、声出るかな?」なんて心配になっちゃう。バンドであればヴォーカルの声質に合わせてキーを設定するんだろうからいいんだろうけど、加入と卒業を繰り返すアイドルグループだとそれは厳しいよな。曲ありきだからそれに合わせて声を出すしか無い。なのでバンドと比べると高度なことやってるんだとも思えるよ、アイドルって。
なんだか話が長くなっちゃいそうだからこれ以降はなるべく簡単に行くけれど、今回映像を見て一番の発見だったのはちぇる(野中美希)だな。ちぇるってけっこういいじゃないかってことに気が付いた。いつからか歌割も増えたし、ダンスもしっかりしてるし、とにかくは目をひく存在になった。かっこいい部分もあり、かわいい部分もある。表情も好き。これからは意識して見ちゃうかも。それと忘れてはならないのがうち(カントリー・ガールズ)との兼任で14期メンバーとして加入したちーこ(森戸知沙希)。兼任が発表されたときにはまさかちーがと驚いた。よりによってちーがあのモーニングとの兼任になるとはと。モーニングってのは年功序列の体育会系で、かっこいいパフォーマンスが求められがちなイメージがある。それに対してカントリーはももち(嗣永桃子)お母さんに叱られ甘えながら成長をしていく女の子の集団で、可愛さと楽しさを全面に出したグループ。そのなかでもちーちゃんってのは甘えんぼで人見知りなイメージだったので、その真逆とも言えるモーニングとの兼任となったことに驚いたし心配もした。それがどうよ、モーニングではまずまず歌割ももらえてるし、場位置もなかなかなところをもらえているようだし、それを見ると少し安心。近年のモーニングの代表曲とも言える『One・Two・Three』やら『What is LOVE?』を歌って踊っているちーこを見ると、なんつーかこう、感慨深いものがある。頑張ったんだなーって。モーニングの兼任が決まってから2カ月だか3カ月だかでそれまでのモーニングの曲の歌と踊りと場位置を70曲分覚えたっつーんだから相当な努力ができる子だってことは分かっていたけれど、それでもやはり、モーニングのなかでパフォーマンスをしているちーちゃんを見ると感慨深いよ、おじさんは。ただ、カントリーに帰ってきて歌を歌っているちーちゃんを見ると、その歌い方やリズムの取り方がすっかりモーニング仕様になってしまっているところは少し残念ではある。しゃーないんだけど。
って、すっかり長くなったから本当にもうこれで最後にする。我慢して最後にする。最後の曲となった『LOVEマシ-ン』の最後に「LOVEマッシ-ン」と歌ったよこやん(横山玲奈)がとてもよかった。それまでは特に目立ったところはなかったけれど、最後の最後に横から出てきて全部持ってった感がある。よかったね、よこやん。これからもいちごやんとして頑張ってね。おわり。