ドキュメント

先日のこと、テレビをつけたら癌になったお坊さんが亡くなっていくまでのドキュメントを放映していた。もうちょい細かく言うと、そのお坊さんは医師でもあって、それまでに末期の患者さんたちの心の不安を取り除くことをしてきた、いわば「看取ることのスペシャリスト」だと。そのご本人が癌となったことで、ご本人の意思により、闘病から葬儀までの全てを公共放送局に記録してもらったものだったと思う。
僕は日頃から自分が病に倒れてもう助からないとしたら、そこから臨終するまでの間に見えたものや分かったものはすべて記録しておこうと思っている。それが何らかのかたちで後世に役立つようならいいなということで。なので来るべきときの参考として…と思いながら見ていたのだけれど、なんかもう、そういうレベルじゃ無かった。意思を伝えたくても伝えられなくなっている姿を見て「…」となったし、延命処置を拒否していたご本人の意思に反して延命処置をする奥さま(医師)の姿にも「…」となった。なんだろう、綺麗ごとじゃ無いんだなというか、難しいんだなというか。
僕は自分なりの死生観を持っているけれど、それでもやはり、死の現場って難しいんだなと。答えは出ないよな。