かわいこちゃん

以前も書いたような気もするし書いていないような気もするけれど、前を歩く女性が素敵な服を着ていると声をかけたくなる。「うちの妻にも似あうかな?」と思って。どこで買ったのかを聞きたくなるのよ。でもいきなり知らんオッサンに声をかけられたら怖いだろうし、理性がそれを抑えてくれているから実際には聞いたことは無い。そりゃそうか。
それはまだいいんだけどさ、ここのところ、おそらくは歳のせいなんだろうけどさ、街ゆく若い女性がみんなかわいく見えるようになったのよ。かわいく見えるだけなら「かわいこちゃんに囲まれてる」ってことで、それは僕にとって幸せなことだからいいんだけど、厄介なのは、そのかわいい女の子に「かわいいわ~」と声をかけたくなること。あら、文章にすると完全に変質者のテンションみたいだけど、ちょっと違うのよ。「うへへへへ」みたいな感じでは無く、もっとこう、物質としてかわいいねあなたはというようなそんな感じ。「この服も似あってるし靴もかわいいね!」みたいな。うん、あんまり変わらんか。どちらにしても声をかけたら変質者なんだけど、その「あなたかわいい」ということをどうにかして知らせたくてなっちゃってな。危険だわ~。
でもなんだろうね、いつから、なぜ、若い女の子がかわいく見えるようになったのかなと思ってさ。実際に女の子がかわいくなってるのか、それとも前述のように僕がオッサンになったから何らかの基準が緩くなってるのか何なのか。なんかこう、恥という概念が希薄になりつつあるのかな。そうだよな、若い頃は「うわ、かわいい!」と思ってもその気持ちを悟られまいとしていたし、ましてや「あなたかわいいね!」なんて口が裂けても言えなかったもんな。それがいまやこれですよ。かわいいって言いたくてたまらんもの。やはりそのあたりが緩んじゃったんだろうなぁと思える。
でもまぁ、実際には一番かわいいのはうちの妻と子供なんだよな。このふたりにならいくら「かわいいね~!」と言っても通報されないだろうからその点もいいよね。うまくできている。