10年以上前の話

「オレはこんなにひどいことをされた!」とかそれに類することを言いたいわけでは無く、単に思い出したから日記のネタとして書く。もう10年以上前の話だから時効でもあるだろうし。

30歳前後の頃から5年間くらいかな、新宿にあったスクールにてWebデザインの講師をさせていただいていた。年によっても変わってたんだけど、問題が起きたその年は年間契約というものを結んでいて、分かるとは思うけども念のために説明をすると、「年に●●時間分の授業をお願いします。それに対して●●万円の報酬をお支払いします。講義の枠は責任を持って私たちがご用意します。」というものだった。
年度が終わるまであと数か月になった頃だったと思うけど、僕が担当する授業が減ってきていたことに気づいていた。なので気になって最新のスケジュール(クールごとにスクールから渡されるもの)を確認してそれまでに終えた授業とこれからおこなう予定の授業の時間を合算してみたら、契約した時間数に1~2時間足りないことが分かった。でもタイムカードに打刻された時間を合算すると契約時間を優に超えていることも分かっていた。契約書を確認してみるも、授業にかかる時間とタイムカードに打刻された時間のどちらを正とするのかの記載が無かったので、Webの責任者に確認をしようと思って電話をしたら責任者が不在とのことで、Webのナンバーツーの男性に確認をすることになった。するとその男性は「タイムカード(を正とするという考え方)で大丈夫ですよ!」と明るく言った。なので僕は既に契約時間をクリアしているものだと思っていた。
で、クールの終わりまであと1か月ほどになった頃だったかな、いまいち覚えてはいないけれど、Webの責任者に呼ばれたのでスクールへ行った。すると開口一番「時間数が足りていないので講義をお願いしたいのですが。」と言われた。しかもその講義の内容から考えろと。僕からすると「ほれ見たことか」なんだけど、まぁ1~2時間足りない程度であればさほど大変でも無いし契約だしで「単発の講義でも考えるかなぁ」と思った。でも事前に気づいて確認の連絡を入れて「クリアしている」とのお返事もいただいていたわけだからその部分が引っかかって「いや、でもタイムカードではクリアしてるんですけど。そもそも契約書に授業時間とタイムカードのどちらを正とするかは書いて無いですよね?」と言うと、それを聞いていたスクールの責任者が凄い勢いで「安西先生、それは無いんじゃないですか?」と割って入ってきた。なんだか一方的に僕が悪者で性格もよろしく無いみたいな言い方をされたので、僕は事前にあなたの部下に電話で確認をしていたこと、契約書に不備があるように思えること、講義の枠は御社が責任を持って用意するって話だったけどできなかったよね?ということ、そうなるとタイムカードって何の意味があるんですかね?ということ、御社内の横の繋がり(連絡)ができていればこんな事態にはなっていないと思うんだけどそれって誰の責任なんですかね?と伝えると、「じゃあ追加の授業はやらなくていい」と言われた。その責任者に。で、いつもなら次クールについて打診がある時期になっても僕には何の連絡も無く、続けてほしいのかほしくないのかの連絡も誰からも来なかったので、頭に来て事務の女性に「シュレッダー使ってもいいですか?」と了承を得て、そのスクールに預けていた過去5年間分の僕の授業のレジュメ等を全て抹消した。すげぇ時間がかかった。授業で役立ちそうな本も何冊か寄付していたけれど、それはさすがにそのままにしておいた。で、なぜ連絡が来たのかは覚えていないけれど、僕をこのスクールに引っ張ってくれてその時には既に新宿校から離れていた社員の方から連絡が来て、「あいつ(新宿校の責任者)も悪い奴じゃ無いんですけどね…。」と言うので「悪い奴じゃ無いって、もうそれ以外にフォローできることも無いような人間に対して使う言葉ですよね。」と言うと黙ってしまった。その社員の方には本当にお世話になっていたし大好きだったから申し訳無いことを言ってしまったなと今でも思っている。
それから2年間くらいかな、その社員の方が責任者として働くスクールで講義をさせていただいた後に講師を辞めた。そのスクールが無くなっちゃったからね。スクールが無くなると同時に講師業も廃業させていただいたということ。
だから合計すると7年間くらいかな、そのスクールには講師として経験を積ませていただいてとても感謝をしている。「教える」という仕事は今後も決して無くならない分野だと思うから経験しておきたいと思っていた。あの事件さえなければ良い思い出ばかりだったんだけど、僕を筆頭にみんな若かったんだし、まぁしゃーないわな。しゃーない。ご迷惑をおかけしました。

「教える」って作業は好きだから、またいつかどこかで何かを教えることに携わってみたいなとは思っている。そのときにはもうキレない自分でありますように。