家族写真とスローガン

なんと言うかこう、広い意味で言えば、今の僕はいい経験をしてるんだなと思う。

今の僕の支えになっているのは、妻と我が子と友人たち。なんだよ全部じゃねぇかと思われるかもしれないけど、本当にその通りで、全てが僕の支えになっている。いま僕の事務所には西日が差し込んでいるけれど、日の光だったり、風だったり、明治神宮の緑も僕に味方をしてくれているように感じる。みんなありがとう。
実は、ということでも無く、勘のいい読者諸君であればお気付きかもしれないが、いま我が家には僕しかいない。妻と子はうちにはいないの。そう、出産して間もないので里帰りをしているのよ。前回の手術のときも同じで、あのときはうちの妻はつわりと戦っていたしまだ安定期にも入っていなかったので、病院には来るなと言っておいた。何があるか分からないからね。母体とお腹のなかの子供に何かあったら大変でしょ。だから入院から退院まで僕ひとりで病室で過ごした。退院した翌日に車で妻の実家に行き、妻の姿を見たときはうるっと来たもんだよ。で、今回は今回で事情は違うけれど、やはり僕ひとりで入院から退院まで過ごすことになる。子供をしっかり見ておいてほしいし、妻の体力もまだ回復していないし、変な病気を持ち帰ってほしく無いからね。手術日は姉が仕事を休んできてくれるって言うから、そこは甘えた。で、何が言いたいのかというと、こんなことを言いたかったわけじゃー無くてだな、いま我が家には僕ひとりしかいないということもあって、フとしたときに心が弱くなることがあるの。特にその傾向が強いのは早朝。起きた瞬間だな。起きた瞬間にすんごい不安が僕の胸に入りこんでくる。ドドドーッと入ってくる。病は気から来るもんだから、不安でいるのはよろしく無い。なので僕はね、こんなこと自分がするとは思ってもいなかったけど、今後についてのスローガンを考えて、それをイラレ(Adobe Illustrator)で書いて、プリントして天井に貼りつけたよ。目を開けるとそのスローガンが見えるわけ。「90歳まで生きる」とか「皆に感謝」とか。そんなんを6枚貼ってある。これがあるだけでも違うのよ、心の状態が。目に入ると心がふわっとする。柔らかくなるのよね。そして事務所のパソコンのデスクトップを家族の写真にしてやったわ。出産直後に助産師さんが撮ってくれた初めての家族写真。これがまたいい写真でな、妻の表情がとてもいいのよ。出産直後の女性は美しいというけれど、それホントでさ、うちの妻が美しく映ってんの。家族の写真をデスクトップに貼るだなんてことも今まで考えもしていなかったけど、これも支えでな、すぐに目につくところに家族がいるって大事なことだよ。頑張ろうと思うし支えてもらってるなとも思う。

っつーことで、心の浮き沈みを繰り返しながら過ごしておりますわ。点で見ればよろしくは無い経験なのだろうけれど、線で見た場合はいい経験なんだろうと思う。そこから学べることってたくさんある。