神社とマッチング

僕が住むマンションの前にある神社には、毎朝のように多くの参拝者がやってくる。住宅街にある、駅から近いとも言えない場所に建つ小さな神社にも関わらず、地域住民のみならず、明らかにこの神社が目的でやってきたであろう参拝者も少なく無い。今朝も明るくて華やかな服を着た若い女性が境内で写真を撮っていた。「撮りましょうか?」とここ(喉)まで出かかった。若い女性への贔屓以外のなにものでも無いが、若い女性からすると「キモいオッサンだな」としか思わないだろう。そのあたりはわきまえているから大丈夫。

僕がこの地を住まいとして選んだのもこの神社があったから。以前は都内の湾岸地域に住んでいた。その部屋は事務所兼自宅としたこともあり、通常よりも広めで賃料も高めの物件だった。賃料が高いにも関わらずその場所を選んだのは、第一に信頼できる友人が近くに住んでいたということ。そして、新たに取引が始まる予定だったクライアントさんが入るビルの最寄りだったことが理由だった。それが、クライアントさんといざ契約という段階になって、弊社の規模が小さいということが理由で契約が白紙となった。どうやら社内の規定が変わったことが原因らしく、あと1~2週間早くことが進んでいれば問題無く契約できていたとのこと。それまで共に動いてくださっていたご担当者さまは平謝りだった。間にどこか大手の会社が入ってくれさえすれば契約をすることができるのでどうにかならないかとお願いをされ、その方向で再検討をして動いたものの、結局は契約には至らなかった。
契約することを前提としてその地域に引っ越しをしたこともあり、数年後には弊社の資金も底をつきそうになっていた。そしてそろそろその事務所兼自宅の更新時期だという頃に、もっと安価に借りることができる住まいを求めて、現在の地に引っ越しをした。
なるべく安価に借りることができ、SOHOでの使用が認められている物件であれば、場所はどこでもよかった。ただなるべくであれば僕と相性の良い土地がいいだろうなとは思っていた。「そういえば都内にも僕の崇敬神社の分社があるって言ってたな…」ということを思い出し、ネットでその住所を調べ、GoogleMapで場所を調べると、その神社の目の前にマンションが建っていることが分かった。そのマンション名で検索をしてみると、手ごろなサイズの部屋が一部屋だけ空いていた。急いで契約を済ませ、引っ越しをしてから1週間後、かなり大きな規模のお仕事のご依頼が舞い込んだ。弊社の売り上げは回復した。それから数か月後、4~5年ぶりに異性とお付き合いをすることになり、さらにその数年後に結婚をすることになった。部屋が手狭になるのでもう少し広い部屋に引っ越さねばと思っていたら、同じマンション内の他の部屋に空きが出た。ちょうど神社の正面にあたる場所に位置する部屋だった。部屋から参道が見える。動き出しが遅れたため二番手での申し込みとなってしまったが、一番手の方が申し込みを辞退したため、その部屋をお借りすることができた。で、現在に至る。

崇敬神社が氏神神社となったことで運気が上昇したとは言い切らないけど、引っ越しをしてからのもろもろを考えると、言い切りたくもなる。以前の日記に書いた「あなたの後ろに綺麗な白龍さまが、うんぬん…」と言われたのも、もちろんこの神社のものだし。
神社にしろ、土地にしろ、仕事にしろ、人間関係にしろ、マッチングってあると思うんだよね。それ(そこ)にいかにして巡りあうかって、良き人生を過ごすにあたり、なかなかな比重を占めてるんじゃなかろうかと思うのよ。知らんけど。