昨日、芸能のお仕事をされている方が、ステージ4の舌癌であることを公表した。それに対する報道を見て、舌癌ってのはまだまだ認知度が低いものなんだなと再認識させられた。

僕が初めて舌癌になったのは2016年の6~7月頃。寝ている間に舌を噛んだ。いつもならすぐに治るはずのその傷がいつまで経っても治らなかった。鏡で見てみると、傷口が白くなっていた。初めて見た。おかしいと思いすぐにネットで画像検索をすると、舌癌と称される画像が、僕のそれと同じだった。癌だと確信したものの、妻との沖縄旅行が控えていたので、すぐには伝えなかった。楽しく過ごしてもらいたかったから。癌を認知してから約1か月後、ようやく事務所近くの耳鼻咽喉科へ足を運んだ。舌を見せた瞬間に「舌癌かも」と言われ、大きな病院宛の紹介状を書いていただいた。大きな病院での検査により舌癌の疑いがかなり濃厚である旨を伝えられ、その日のうちに系列の大学病院を紹介してもらい、そこで舌癌であることを伝えられた。癌だろうと思ってから病院へと足を運ぶまでに1か月かかったけど、そこから癌の告知までは早かった。とてもスムーズに対応していただけて感謝している。

おかしな方向に受け取って欲しく無いんだけど、こういうのって運だと思っている。自分の運と言うよりは、 医師についての運と言うか。どの医師に診ていただけるのかによって、その後の展開は大きく変わるように思える。これは医師に限らずなことだけど、意識すべきは組織よりも一個人。僕の仕事の場合だと、年に何度か「いい制作会社知りませんか?」と聞かれることがある。でも世の中にはいい制作会社なんてものはなかなか無くて、ただ、いいディレクターなら心当たりがある。何が言いたいかというと、要は「人」だということ。仕事を受けるのは組織だけど、仕事をするのは人なのよ。人っていろいろでしょ。細かい人もいれば大ざっぱな人もいる。最初に大きなことを言う人もいれば、慎重な人もいる。仕事の出来栄えは個人の能力と相性により大きく左右される。医師も同じだろうというのが僕の考え。誰に診ていただけるのか、それによってその後の展開って大きく変わると思うんだよね。だからそこを指して「運」と表現した。担当してくれる医師との出会いに関する運。大きいと思う。