日の丸

年末年始休暇中、ヤボ用があって数時間だけ弊社事務所に立ち寄った。駅を降り、事務所へと向かう坂道を歩いていると、道の両側にいくつもの日の丸がたなびいていることに気が付いた。普段は人も車も多い道だけど、さすがは年始だけあって、そこには僕しかいなかった。だれもいない道にたなびく無数の紅白を見て美しいと思った。元日に訪れた妻の実家付近の家々の玄関にも日の丸がたなびいていた。
かつては我が家(実家)も祝祭日には玄関に日の丸を掲揚していた。祖父母が他界してからなのかその前からなのかは知らないけれど、ここのところ我が家で日の丸を見かけることは無い。なぜ掲揚しなくなったのか、その理由を聞いたことは無いけれど、おそらくは「面倒だから」とかその程度の理由だと思う。そこに深い意味は無いのだろうと。僕も僕で、日の丸を美しいとは思うものの、自宅に掲揚しているかというとそんなことは無く、そもそも日の丸すら持っていないという体たらく。心のなかを覗くと、そこには「面倒なことに巻きこまれたく無い」という思いが見え隠れしている。
この国では、政治の話をしたり、それに近いことをすると煙たがれる風潮にあると思う。日の丸の掲揚もそのひとつで、単に国民の祝日を祝うための国旗の掲揚にも関わらず、右翼だとか軍国主義なんていうキーワードを持ちだされることがある。突き詰めて考えると、それはこの国が戦争に負けたからなんだろうなと思えるけれど、それを言うとまた面倒なことに巻きこまれがちなので言わないようにしている(書いてるけど)。ほんとは大手を振って日の丸を掲揚したいところなんだけどね。