オッサンの習性

週末は友人の結婚式というか結婚パーティーというかそんなものに参加をさせていただいたのだけれど、会場につくと、また別の友人である若き女性カメラマンが写真を撮りまくっていたので「おっ」と思った。
数年前から彼女がプロカメラマンとして活躍しはじめていたことは知っていたけれど、彼女のことをそこまで深く知っていたわけでも無く、なんとなく頭の隅の隅にあった程度だった。数か月前、彼女がハワイの砂浜で新郎新婦を撮影している様子を写した写真をたまたまネットで発見し、決して大きく無い身体に望遠レンズをつけたデカいカメラを2つぶら下げて笑顔で撮影をしている姿に感銘を受けた。そのとき初めて「あ、本気なんだな」と思えた。久しぶりに会えたので、そのことを伝えてみた。「感動したよ」と。「頑張ってるんだね」と。
式の最中、友人たちと歓談をしつつも、走り回って撮りまくっている彼女を目で追った。それを見ていたら、なんつーか、大切なのは「覚悟」だよなと思えた。初めから「できる」人なんていない。まっすぐに向き合う覚悟を持てるか否かだよなと。改めてそれを教えられた気がした。そして「うちに使って無いキャノンのカメラとレンズがあるから全部持ってっていいよ!」と、ここ(喉)まで出てきたのをなんとか理性でおさえこんだのだった。

あれから数日経つけれど、あのとき「持ってっていいよ!」と思えたのは、もしかすると僕がアイドル好きなことと関係があるのかもしれないなと思えた。応援したくなっちゃうんだよね。初めて好きになったアイドルはももクロだった。僕が持つ「アイドルとは何ぞや」というイメージから完全に逸脱するほどに身体をはっている彼女らを見て、応援したくなった。いや、これは応援しなければならないと思えた。で、オッサンになると応援の仕方というものも若かりし頃のそれとは異なるもので、平たく言えば、モノと金を渡したくなる。財力で解決しようとしてしまう。「カメラ持ってけ!」というのはモノを渡すことで応援の気持ちをあらわそうとしていることに他ならず、冷静に考えると非常になんというか、よろしく無い。というか恥ずかしい。裏を返せば財力以外に強みをもっていないということでもあるもんな。わー、こんな大人になりたくなかったわー。こんな大人に誰がした。オレがした。

ってことで、友人の今後のご活躍をお祈りしつつ、僕は僕で羽ばたこうと決意した次第。腹回りの肉を落とせばまだ羽ばたけると思う。どんどん飛んでっちゃうんだからな。アンジュルム風に言うならば「カクゴして!」と言ったところだ。