癌のこと

20160729

少し前からいくつかの病院で検査をしていただいていたが、今日癌告知を受けた。舌癌。3つの病院を短期間に渡り歩いたのでそれぞれに印象深いできごとはあったものの、面倒なので割愛。現時点のことだけを言うと、まぁまずは舌癌ですと。来週またCTやらMRIやらPETやらを受けて、その結果を受けて治療方針を決めましょうと。治療方針とは言っても手術になるのだけれど、どうやら入院しないとならないみたい。先生は8月中にやってしまいたいと仰っていて、自分もそれには賛成なので、近いうちにやることにはなると思う。来週の結果が出なければ細かなことはわからないけれど、現時点での印象を伺うと「初期の癌。ステージで言うと1か2。」とのこと。自分もそのくらいだろうと思っていた。まぁ、死ぬことは無いだろうなと。
最初に癌の疑いを告げられたときには、頭の中に死がチラついた。チラつきはしたけれど、自分が死ぬことはまず無いだろうと思った。昔から自分には「いわれなき自信」というものがあり、今回もそれについて自信を持っていた。何歩か譲って死ぬことになったとしても、昔から自分なりの死生観を持っているもので、それに対して怖いとか嫌だとかいう思いは無かった。ただ、家族に申し訳無いなとは思った。「もし自分が死んだら葬式には誰が来てくれるかな?」なんてことを小学生の頃に考えていたけれど、本当に死の可能性が出てみるとそういったことはどうでも良くて、残された時間を家族と大切に過ごしたいということしか頭に浮かばなかった。都知事が誰になろうとどうでも良くて、ただ単に、明日は家族と一緒に何を食べようかなとか、今度の休みは家族であそこに行きたいな、なんてことを思った。真に人間が求めているものはモノやらお金やら名誉なんかでは無く「経験」なんだろうな。思い出ができるから。

とにかくまぁ、今回は全ての病院に恵まれた。最初に診断してくださった新宿の先生も素晴らしい方だったし、紹介状を書いていただいて受診をした事務所至近の大きな病院も素晴らしかったし、今日お会いした大学病院の先生も非常に親切で分かりやすくて信頼のおけそうな方だった。なにより全てのタイミングがとても良かったと思う。全てがとてもスムーズだった。

癌にはなったけれど、なんだか自分は恵まれているなぁと。これからもたくさんの場所を訪れて、たくさんの写真を撮ろうと思った。家族と共に。