記憶力

先日、妻から「もう祐輔には大事な買い物は頼まない。」と言われた。聞くと、1週間ほど前に頼まれた酢が原因だった。頼まれた酢とは違う酢を買ってきたの、僕。

記憶力が悪くなっているのは自分でも分かっている。悪くなり始めたことを実感したというか、それを受け入れ始めたのが30代前半の頃。もうね、肌感覚として分かったの、記憶ができなくなっていることを。具体的に言うとさ、脳の中にもやがかかってる感じがするの。短期であろうと長期であろうと、僕の記憶として定着させるためには、その「覚えたいもの」にもやの壁を突き破ってもらわないとならない。30代前半からは多くのものごとがそのもやの壁を突き破ることができなくなっているの。壁の手前で落ちちゃう。だから記憶に残らないと。そんな感じ。それを妻に伝えたら「でもいろいろ聞くといろんなこと知ってるじゃん。昔のこととか。」と言われたので、「それはもやの壁ができる前に記憶として定着したことだから、そういうものはずっと残ってるんだよ。」と伝えると、納得したようだった。

だからね、買い物にでかけるときには事前に買うべきものをリストアップして、iPhoneの「メモ」に保存していくようにしているの。スーパーの陳列順にメモしていくの。「果物→野菜→魚→肉→加工食品」みたいな。そうすれば忘れないし、スーパーに入ってからうろちょろすることも無い。ではなぜ妻から頼まれた酢を間違えたのかというと、スーパーに入る直前に口頭で頼まれたから。しかも酢だけではなくいくつもの食材とまとめて。実際に酢の棚の前に立ってみたら、いっぱいあんのよ、酢って。もはやどれだか分からない。で、僕の記憶に残っていたのが「1.5Lと900mlがあるけど…」という妻からの説明だったので、その場に置いてある唯一の900mlの酢を買っていったら違ったという。1.5Lのものは無かったからさ。

記憶力が悪くなると不便なことが多いけど、余計な知識をストックしないという意味では幸せなことでもあると思う。家族に迷惑はかけたく無いけれど、なんつーかこう、工夫すれば乗り切れるものでもあると思うし、うまく付き合っていければいいかなと思っている。