我が家のパンデミック

先に言っておくと、ご飯を食べながらの閲覧はお勧めしない。止めはしないけど、お勧めしないから。で、タイトルに「パンデミック」と書いたけど、本来の意味のパンデミックとも違うから。
あのさ、コクゾウムシって分かるかしら。お米の中に卵を産み付ける虫。あれがさ、我が家で大量発生して大変だったのよ。その話をするよ。

いつのことだったか忘れるくらい前の話だけど、家にいる妻から「床の上を虫が歩いてる。カブトムシを小さくしたみたいなやつ。」と連絡があった。極端なほどでは無いけれど、僕は虫が嫌いなので、それを防ぐべく窓を開けっぱなしにするようなことはしないし、普段から気を付けるようにしている(つもり)。なので床の上を虫が歩いていたことが意外だった。どこから入って来たんだろうかと。その虫は妻が処理してくれたんだけど、その日以降「またいた。」「2匹いた。」のような報告がたびたび入るようになっていた。
妻が調べてみたところ、その虫はどうやら「コクゾウムシ」というものらしく、お米の中に卵を産み付けるやつらしいことが分かった。我が家には玄米を数十キロストックしてあるので真っ先にそれを疑った。その米袋の中に入った数十キロの玄米を紙の上に広げて目視で確認し、大丈夫なものからペットボトルに中に詰め変えていった。それを何度も繰り返し、全ての玄米をチェックし終わった。結果、玄米は正常であると確認するに至った。玄米に虫はついていない。なのでもうあの虫が現れることは無いだろうと思った。が、虫はいなくなるどころかその姿を頻繁に見せるようになって行った。今日はここから出てきた。昨日はここから出てきたと、部屋のあらゆる方向から現れる虫に、なす術が無かった。
で、今から1週間ちょい前だったかな。雨が降っている日だったけど、その日はいつもよりも多くのコクゾウムシが姿を見せるようになっていたので、「湿気があると活動量が増えるのかな?」なんてことを思いながら部屋中の家具をどかして掃除しまくってを繰り返していたら、ついに見つけたの。あいつらが大量にいるエリアを。我が家は災害対策もあってペットボトルの水を大量にストックしてあるんだけど、それが入ったダンボールを積んである裏あたりにコクゾウムシ数匹とその死骸数十匹分を発見したの。なので「ここか!」ってことでこいつめこいつめと潰しまくって、念のためってことで段ボールから全てのペットボトルを出して、ダンボールは光の速さでゴミ捨て場に捨てた。ダンボールの段々になってるところに潜んでるかもしれないからな。これであとは部屋のどこかに残っている残党を処理すれば大丈夫かなと一安心してたんだけど、なんとなく、段ボールを積んでいた場所の隣にある食品庫が気になって扉を開けてみたら、なんと、その中でコクゾウムシがパンデミックを起こしていた。なんかもう凄くてね、直視もできず、とにかく潰しまくった。食品庫の中には玄米を買った際におまけでもらった黒米が入っていたらしいんだけど、その黒米が入った袋のなかにコクゾウムシが大量に湧いていたので、おそらくはそれだよね。もともと虫がついていた黒米をプレゼントとしてもらっていたと。そういうことだと思われる。で、食品庫の中にあるものを出しまくって、動いている虫を潰しまくって、食品庫の中に入っていた全てのものをチェックして、怪しいものは捨てまくって、空になった食品庫のなかの棚の空き間に目張りをして、もうとにかくね、大変だった。食品庫の背中側に少し空き間があってさ、どうもそこから出入りしてたみたいなんだよね。だから表の扉からは出てこないの。裏からしか出て来なかったから発見が遅れたのだ。夜も遅い時間だったんだけど、こんな状態で寝れるわけ無いから、潜んでいるんじゃなかろうかと思えるところを全てチェックした。妻は妻で木酢液を作ってた。虫避けになるからね。
翌日になってもまだ数匹は部屋の中を歩いていた。パンデミックの元は既に処理をしたから、あとは部屋の中に残っている残党を始末すればいいだけだとは理解しているものの、気持ちは悪いよね。リラックスできない。なのでネットでコクゾウムシを壊滅する方法を調べてみたらバルサン的なものを炊くくらいしか無いみたいなの。それはさすがにできないからさ、即効性は無いけれど効くという「虫どろぼう」ってものを光の速さで手に入れて部屋のなかに4個置いておいたらさ、現れる数が徐々に減ってきて、一昨日あたりからは姿を見かけなくなった。虫どろぼうが凄いのか、それとも単純に残党を始末し終えたのかは分からないけれど、ようやく我が家に平和が訪れたの。長かった。

まー、アレだ。食べ物は早々に食べるに限るね。米をナメちゃいかん。僕たちは気を付けるから、みんなも気を付けてね。