ここに住めてよかった

この週末は我が家の目の前にある神社のお祭りだった。昨日はお昼前あたりに山車と御神輿が出発して、夕方からは近隣の方々による演芸、そして日が暮れた頃には町内を回っていた山車と御神輿が老若男女を引き連れて戻ってきた。戻ってきた御神輿は、最後のパワーを振りしぼるように動きまわる。その周りでは大勢の方々が歓声をあげながらスマホを向ける。平たく言うと、最高潮の盛り上がりを見せている。「ここに住めてよかった」と、その様子を部屋の中から眺めていた妻が言う。その言葉の真意は聞いていないけれど、いや、聞いたけど忘れてしまっただけかもしれないけれど、こういった行事をきちんと、そして盛大におこなう地域に住むことができてよかったということなのだろう。

この土地に越してきたのは2012年の始めだった。僕がまだ独身というか、バツイチの4~5年目だった頃。引っ越し先はどこでも良かったんだけど、せっかくなら自分が好きになれるような場所に住みたいなと思い、自分の崇敬神社の分社の場所をまずは調べはじめた。そしてその神社の近くにある賃貸マンションを調べ、そのマンションに空きが無いかを調べてみたら、空いていた。そんな経緯で引っ越してきたのが今のマンション。
住んでみてわかったのがこの土地と僕とのマッチングの良さ。引っ越してきて1週間後に大きな案件が舞い込んで、1年しないうちに妻と出会った。前の妻との離婚から4~5年ほどが経ち、それまで停滞していた運気が一気に上がったように思えた。今の妻が部屋に泊まりにくるようになって手狭になりつつあったこともあり、どうせなら神社の真正面にある少し広い部屋に引っ越したいと思っていたころに空きが出て、審査の順番は2番目だったにも関わらず、今の部屋に引っ越すことができた。神社は南に向いていることが多いので、神社の正面の部屋ということは必然的に北向きの部屋ということになるから日当たりの悪さが心配だったけれど、部屋の北側に大きな窓が開いているといいと聞いたことがある。幸いにしてこの部屋の北側は、その全面が窓になっている。「いい」ってのはどういうことかというと、そこから神様が入ってきてくれるんだって。その真偽のほどは知らんけど、カーテンを開けると僕の崇敬神社が目の前にあるってのは悪く無い。そしてその神社が地域の皆さまから愛されているのだからなおさら。

これまでに7度の引っ越しを経験している僕だけど、同じ土地に7年も住み続けるだなんてここが初めて。マンションを購入したときですら4年しか住まなかった。果たしていつまで住み続けることができるかは分からないけれど、このご縁には感謝しているし、願わくば、それが少しでも長く続けばいいなと思っている。