アウトプット

ここ2~3年かな、友人たちのFacebook離れが続いていたけれど、今年に入ったあたりからそれが顕著になったように思える。表示されるのは企業からの投稿ばかりで、友人たちからの投稿はあまり見かけなくなってきた。単に飽きた人もいるだろうし、個人情報の流出を懸念しはじめた人もいるのかなと。それはそれで特に問題は無いというか他人がどうこう言うものでは無いのでいいんだけど、僕はこのまま続けると思う。SNSを利用する目的が他の皆とは違うんだろうなと思っているから。
僕の場合、むしろ「自分」を流出させたくてSNSを利用している。遡ること19年前。お菓子屋さんでの仕事を辞めてWeb制作の勉強を終えた頃、「安西祐輔という名のフリーランスのWebデザイナーがここにいますよ!」ということを全世界に知らしめる必要があると感じたそのときから、どこかのサイトに連絡先を登録したり、自分のサイトで日記を書き始めたりと、世に向けて個人情報を流出しはじめた。個人情報とは言ってももちろんたかが知れた程度のものではあるけれど、それを世に出したことで現在の自分があると胸を張って言える。このことは仕事に関わることだけでは無く、プライベートにおいても役立っている。「自分はこんな人です。」「こんなことを考えています。」なんていう「人となり」を発信することで、シンパシーを感じた人は寄って来てくれるし、その逆もあるわけなので、面倒が起きにくい。そして日記に関して言えば、それを書くことによって自分の頭の中を整理できるし、相手に伝えることを意識するし、スキルアップにつながっている。

僕らが子供の頃の「勉強」とは、詰め込み型のものがほとんどだった。それが所謂「ゆとり」以降は、自分で考え、自分の意見を述べることを主とした授業が増えたという。つまりはゆとり以降の日本人は様々な物事に対して「自分を出す」ことに慣れているということで、僕らオッサンは詰め込んだ知識をひけらかすくらいしか能が無い。さらには自信満々に「いい国つくろう鎌倉幕府!」なんてことを言っても、若者から「それ、違うから。」と言われるのがオチだ。古いんだよね、情報が。

なのでね、この先あと何年生きられるのかは分からないけど、僕らオッサンたちもさ、アウトプットすることに慣れておくといいと思う。SNSを使わないとダメだとは言わないけど、それぞれのやりやすい方法でアウトプットを重ねることで、この先の安心を得られるんじゃなかろうかと思っている。「自分」を自分の中に秘めていてもあまりメリットは無い時代だと思うんだよね。