年に一度の

今年もこの時期がやってまいりました。僕の過去の栄光を全世界にひけらかせねばなりません。
かつて僕は「フォント」というものを作ることを趣味としていた。「フォントブーム」と呼ばれていたその当時、デザイン系の雑誌類に付録として添付されていたCD-ROMには僕や僕のフォント仲間たちが制作したフォントが収録されることが少なくなかった。かれこれ15~8年ほど前に制作したものということになるけれど、それをいまだ使い続けてくれている方々がいらっしゃって、そのうちのひとつが「NHK杯 国際フィギュアスケート競技大会」なの。この大会ロゴのうち「Trophy」の部分に使われているフォントが僕が作ったフォントなのだ。なので毎年この時期になるとテレビを見ながら「(今年も)まだ使ってくれてる!」と感激するのが僕の恒例行事になっている。僕のフォントは僕のフォント仲間たちが作るものと比べると出来も良くなかったし使われている数も少なかったと思うけれど、こうやって大々的に使っていただいているところを見ると「作っててよかったな」と思える。当時はデザインなんてものはド素人だったけれど、そんな僕でも社会に貢献できたような気になる。「地図に残る仕事がしたいから建築業界に…」なんてことを聞いたことがあるけれど、フォント作りもそれに似たものがあると思っている。
以前はMac版のMicrosoft Officeのアイコン部分に僕のフォントが使われていたり(Microsoft社は否定したけれど)、今でもテレビ番組等で使われているところを見かけたりもするけれど、公共放送局で長いこと使っていただいているということがね、やはり嬉しく感じるのです。