同窓会

週末、中学生の頃の仲間4人でプチ同窓会をした。高校と大学は学力に応じてまとめられてしまうのに対し、中学校はいろいろな方向を向いた人間がひとつの箱に押し込められているような場だったので、毎日に緊迫感があって面白かったことを覚えている。
同窓会でも言われたけれど、中学生の頃の僕は周りに敵を作らないタイプの人間で、一緒に横浜のアニメイトに行くような友達もいたし、暴走族の集会に一緒に行こうと誘ってくるような友達もいたし、職員室の前の廊下を通れば「お~!安西くん!元気かね!」と毎度のように校長先生に話しかけられていたし、結果として、レンズで例えるならば14mmくらいの超広角な人脈を築いていたと思う。記憶が正しければ3カ月に一度はどこかの女子から「好きです」と告白されていたにも関わらずバレンタインでは全くチョコをもらえないという、なんというか、女子からも人気があるんだか無いんだかわからない微妙なポジションにいたと思う。言い変えれば目立ちすぎず目立たなすぎない絶妙のポジションかと。
高校以降はどちらかというと矢面に立たされる機会が多かったので輪の中心にいることが多かったけど、4人で世話話をするなかで感じたのはあの頃の感じ、中心でも無く蚊帳の外でも無い丁度いい感じ、つまりは居心地の良さだった。あの頃のようなどこから矢が飛んで来るかわからない緊迫感はさすがに無くなっているけれど、ああ、こんな感じだったなと。いつまでもこうしていられるなと思えた。

あれから何年経つだろう。あの頃のことは良い思い出として胸にしまっておきたいという気持ちが強いけれど、「誰々と誰々は死んじゃったよ」なんて話をするなかで、やっぱり死ぬ前に一度会っておいてもいいかなという気持ちが芽生えてきた。人気者だったわけでは無く、幸いにして誰かとの間に遺恨が残っているわけでも無いし、なんとなく、そういうのもいいかもしれないなと思っている。あの頃に戻って時間を共有するのもいいかなと。