原生林

アウトドアに憧れる45歳が、期せずしてアウトドアっぽい経験をしてきたのでご報告。

阿寒湖の東端、雄阿寒岳登山道を進んだ先に太郎湖と次郎湖という2つの湖がある。北海道の旅の最終日に阿寒湖を訪れた際、ついでに行ってみっかという軽い気持ちで訪れたのがアウトドアの始まりだった。
滝口という登山道の入口に車を停め、「入口はこっちかな?」と歩いて進んだ先に登山届けを入れるポストを見つけ、「あ、これヤバいやつだ」と気が付いた。本格的なやつだぞと。なにせアウトドアに憧れている男なので装備だけは一丁前で、そのあたりは大丈夫。強いて言えば熊よけのスプレーを持っていないことくらいか。数日前に知床五湖を訪れた際、ガイドさんから「熊には出会わないことが大切。そのためには手をたたいたり声を出すなどしてこちらの存在に気づかせましょう。」と教えていただいていたので、とにかくそれを守ろうと。んじゃ行くぞと。妻に言うと怖がるかもしれないので自分の心の中だけで気合いを入れて出発した。
ここは歌声喫茶かと思えるくらいにパチパチと手を鳴らしまくって歩いたおかげなのか何なのか、幸いにも野生動物と出会うことは無かった。そこは良かった。良かったけど、登山道がね、僕が知っている登山道とは違ってさ、とてもさ、なんつーか自然のままというか、原生林ってこういうことを言うんだなと思えるものだった。太郎湖まではいいんだけど、次郎湖へ向かう道は木に括りつけられているピンク色のリボンが無ければ見つけられなかったところもあったかもしれない。当然ながら道は整備されていないのでアップダウンは激しいし、デカい倒木が行く道を遮ってるし、アウトドアに憧れてコツコツと装備を増やしておいて良かったなと思えた。この靴買っておいてよかったなとか、このベースレイヤー買っておいてよかったなとか、ザックに「首の負担がZEROフック」を付けておいたよかったなと。おかげで撮影も楽しめた。
そんなこんなで初めての原生林はとても印象に残るものだった。唯一出会った登山者と笑顔で山の挨拶もできたことだし、なんつーか、アウトドアのプチデビューを果たした気分だわ。たったの1時間弱の体験だけど(笑)。

それにしても原生林ってのは撮っていて楽しいね。北海道に通うのは大変だけど、もっと近場で探してみようかな。車が使えれば三脚もレンズももっと気軽に持っていけるし天候も読みやすいから(もっと雲が出ているときに撮りたい)、近場で撮るに越したことは無い。