外食

夕飯を外で食べようとなったとき、美味しいものが食べたいと思ったらお酒のあるお店に行くのが正しいと思っている。そう思ってはいるものの、僕も妻もお酒を飲まないので躊躇してしまう。お酒が置いてあるお店とはお酒で利益を得ているのだろうから、いくら食べ物を頼んでもその利益はさほどでも無いと思え、そう思うとなんだか申し訳無くなってしまうから。なので結局のところは中華料理屋さんに入って炒飯を食べて帰ることが多くなってしまっている。
そんななか、昨晩は無性に刺身が食べたくなった。スーパーの刺身では物足りないと思えたので、どこか外で食べようと。僕の欲求とお店の利益とを天秤にかけて、昨日は僕の欲求が勝ってしまった。刺身と言えば駅の近くに美味しい飲み屋さんがあるけれど、そこでは無く、駅から離れた場所にある繁盛していないお店に入ってみた。なぜなら外に出ていた看板に「お一人さまでもどうぞ」と書いてあったから。お一人さまでも入ってほしいと願っているということは、お酒を飲まなくても許されるかもしれないと思えたから。
頼んだお刺身はさほど美味しいとは思わなかった。そりゃそうだ、繁盛していないのだから刺身の回転も悪いだろう。生ものを頼むこちらが悪い。ただ繁盛していないお店にも良いところはあって、それは客の声がうるさく無いところと頼んだものがすぐ出てくるところ。おかげで楽な気持ちで夕飯を食べることができた。
お会計を済ませて外に出ると、全ての店員さんが外にまで出てきて見送ってくれた。ありがとうございましたと。また食べに来たいと思うかどうかはわからないけれど、また寄ってもいいかなとは思えた。